富山応用地質研究会
-Toyama Research Group of Applied Geology-
     
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珪質粘板岩互層の重力性傾動構造:福井県おおい町
 珪質粘板岩互層の重力性傾動構造: 福井県大島半島の北東端に位置する赤礁崎には,超丹波帯に 属するペルム系珪質粘板岩互層(珪質粘板岩と凝灰質粘板岩の互層)が分布する.その地質構造は,NE-SW走向の80-90°N傾斜と 急傾斜し,海面付近の岩礁のみで観察される.一方,斜面上部でみられる地質構造は,緩傾斜で斜面に対して受け盤をなす(写真A,C). また,斜面上部の岩盤は密に発達する開口割れ目で,板状〜片状にブロック化している.
 斜面上部に見られる地質構造は,トップリングや岩盤クリープ性転倒構造と呼ばれる重力性構造に相当し,記載用語として 重力性傾動構造と呼ばれている.一般に,面構造が密に発達する片状岩盤に形成され易く,地質時代に形成されたテクトニックな 面構造に沿う重力性すべりで発生・進展する.赤礁崎の珪質粘板岩互層の場合,凝灰質粘板岩中の劈開にすべりが集中する一方, 珪質粘板岩中の劈開に沿うすべりは希である.珪質粘板岩中には,石英脈が劈開に高角度に斜交して発達している(図1).この石英脈は, 劈開に沿うすべりに対してアンカーの役割を果たし,結果的に凝灰質粘板岩中に変形が集中したと考えられる.
 重力性傾動構造は,斜面災害を予防・予測する斜面診断に際して重要な診察項目の一つであり,今後,北陸地方における事例収集と 構造解析を進めていきたい.なお,赤礁崎の詳細は地すべり学会誌に公表済みである.[2011年09月〜](柏木健司:富山大学)
姿泥岩層中の不規則な帯状軟質部
 姿泥岩層中の不規則な帯状軟質部: 姿泥岩層は,しばしばノジュールを層理に平行に含み,層厚数cm程度の凝灰質の 薄層を挟在する.その切土法面では,泥岩(写真の名灰色部)中の層理とは明瞭に斜交して,周囲と比較して軟弱かつ不規則な帯状軟質部 (写真の暗色部)がしばしばみられる.斜面の安定性の評価に際して,帯状軟質部を認識し,その斜面内部における三次元的な発達様式の理解が 必要かつ重要である.しかし,帯状軟質部の三次元的な分布を把握することは困難であり,その存在を設計・施工へどのようにフィードバックするかが 課題である.[〜2011年08月](杉山茂久:三和ボーリング株式会社)
聖ヶ鼻の崩壊現場
 平成19年7月16日の新潟県中越沖地震によって発生した地すべり.写真右側には砂泥互層が露出し, この露頭で観察した地層の傾斜方向から,この地すべりは流れ盤すべりであることがわかる.頭部には分離丘が形成され,写真奥側に見える 滑落崖後方の斜面も動いていると推測される.
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